東北レポート(2日目:石巻編)

 朝11時にマギーちゃんがホテルまで迎えに来てくれて、最初に目指したのは仙台市内の教会へ。東北に行く前に、母から連絡があり、行くのなら知人に連絡をとってみてとのこと。連絡が無事取れて、お昼ご飯をごちそうになり、約10人の前でミニコンサートをさせて頂きました。コンサートが終わった時に、肩を震わせて泣いてる女性がいて、今回の震災で彼女の心にも何らかの傷ができてしまったのかと思い、かけてあげる言葉が見つからなかったです。

写真:教会からの景色

 午後の3時前には、教会をでて石巻へ。100メートル観音の話を聞いた直後に、そこから近いというので、見に行ってきました。話によると、観音像なのだけど、ダビデの星と、十字架を模様した首飾りがあるとのこと。実際見てみると、本当にそうでした。宗教が混ざってるみたいですね。この100メートル観音像、地震の時は全然大丈夫だったそうです。ただ、龍から中に入るところは、立ち入り禁止になっておりました。

 18時に石巻に着くだんどりで、まだ時間的に余裕があるとのことだったので、松島湾が一望できるところへ。松島だけに、とっても松が多かったです。松島湾の眺めはとってもきれいだったのですが、津波のことを考えると、何とも言えない気持ちになりました。

写真:西行もどしの松,地震の影響か、松ぼっくりが小さい段階で地面に落ちてました。

日もかなり傾いて来たので、石巻へ。下道はかなり危険とのことで、高速道路で来てくださいとのことでした。対向車線の仙台方面に帰る車(自衛隊など)がかなり渋滞しておりました。高速道路から、石巻赤十字病院が見えました。この日の公演は、その病院でボランティアで医師されてる、松本先生のサポートがあって実現した次第でございます。

 河北インターで降りて、少し道に迷うも、無事ビッグバン(石巻市河北総合センター) に到着。車から降りたら、やはり少し塩、泥の臭いを感じたように思います。人生初めての避難所の訪問に、なんともいえない緊張感がありました。センターの窓口で担当の方を呼んで頂いて、ご挨拶。公演の打ち合わせをしました。その後くらいに、松本先生が赤十字病院から来てくださり、ご挨拶。仙台に着いた日に、彼からメッセージ頂きました。”被災地では生の音楽が不足してて、喜んでくれると思う” この言葉がとっても強い励みになりました。 
 19時過ぎから、センターのロビーで約30分くらい演奏しました。老若男女合わせて,50人くらいの人々が聞いてくれました。曲もできるだけやさしい曲をオリジナルの中から選んで演奏。車窓からの景色、アコパンダ、my soulful song,幸せな夜など。小さな子供達も聞いてくれてたので、となりのトトロも演奏しました。
 アンコールで、”曲はスティービーワンダーのIsn’t she loveryです”、と言った瞬間、客席左方向から、”よしっ”というのが聞こえてきました。コンサートが終わった後、その方が話しかけに来てくれて,スティービーやレゲイが大好きで、スティービーのCD全部持ってたのだけど、津波で家ごと流されてしまったとのこと。車の中に一枚だけ残っていたスティービーのCDを持って来てくれて、”ここにサインをお願いします。”とおっしゃられました。何度も本当に自分のサインをスティービーのCDにしてもよいのですか?と尋ねたのですが、それでもお願いしますとのことで、サインいたしました。”日付は今日の4月13日でよいですか?”と伺ったら”2011年3月11日でお願いします”と。その時のことは、今でも忘れられないです。
 この方をはじめコンサートを聞いてくれた方々、とっても喜んでくれて、本当に来てよかったと思いました。自分が現地でできることは、音楽を聴いてもらっての、気分転換。ミュージシャンとして被災地で初めてボランティア活動をした日でした。今回の日本ツアーを通して、演奏することで、お客さんにエネルギーを与え、喜んでくれることによって、お客さんからさらにエネルギーを頂くという、エネルギーの交換というのを、改めて感じました。日本をツアーしたことによって、交換したエネルギーを被災地に届けて、そこでもエネルギーの交換ができたように思います。
 マギーちゃんの言葉から”確かに音楽やお花では家を建てたりすることはできないけれど、それでも心に光を届け、心の支えとなることはできるんだと改めて確信いたしました。”
 コンサートが終わった後、東京に住む友人有志からの子供達への救援物資(お絵描きセット)をセンターの方にお渡ししました。避難所になってるアリーナも見させて頂きました。このセンターには500−600人の方々が避難されてました。その光景をみて、一日でも早く仮設住宅ができて、普通の暮らしができるようになることを、切に願いました。
 会場を後にする時に、一番前で聞いてくれた人が居られて、会釈をしたら、手をあげて答えてくれた姿を今でも鮮明に憶えてます。彼らの暮らしが震災前のように成る日まで、ずっと支援を続けていけれたらと思ってます。
 センターの方、松本先生に挨拶をして、仙台方面の高速に乗ったのでした。マギーちゃん、本当にお疲れ様でした。(3日目:亘理町、山元町編につづく)
 

コンサートの動画
マギーちゃんのブログから”石巻での話”

 

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